青木龍山 作品
河南天目 1,260,000円
油滴天目 1,260,000円
天目青韻 945,000円
耀変天目 1,575,000円
  曜変天目について
 一般に天目釉と呼ばれる焼成後、黒色を呈する釉薬が在ります。釉薬としては、鉄分を主体とする古典的なものです。
そのバリエーションは豊富で代表的なものでも油滴天目・禾目天目・河南天目・木の葉天目等様々なものが見られます。
 
 宋の時代、中国南部の建窯で窯入れされた天目茶わんに奇跡がおこりました。
“わん”の中に満天の星空を閉じ込めた”と評される「曜変天目茶わん」の誕生です。もっともこの窯ですが全長百メートル以上にも及ぶ、龍窯と呼ばれるもので、一度に万の単位で作品が窯入れされるという我々の想像を絶する規模のものです。その中で、文字通り万にひとつの偶然が、珠玉の“わん”を作り上げました。

 東京世田谷の静嘉堂文庫所蔵の通称“稲葉天目”、大阪の藤田美術館所蔵の曜変天目茶わん、京都の大徳寺龍光院所蔵の
曜変天目茶わん
、以上の三点が地球上に現存する「曜変天目茶わん」のすべてで、いずれも国宝に指定されています。歴史上は、
あと一点、曜変天目の記録が残っていますが、それは織田信長所蔵のもので、あの本能寺の変で焼失したといわれています。因みに、“ようへん”に“曜変”の文字を使用するのは、この三点だけです。

 これまで、数知れぬ陶芸家が「曜変天目茶わん」の再現に挑戦してきました。その偶然を手に入れるために作家生命のすべてをかけた陶芸家も数多くいらっしゃいます。その中で、日本芸術院会員としての感性と技が生み出した青木龍山氏の「曜変天目茶わん」が完成いたしました。是非、皆様に現代陶芸界最高峰の作品をご覧いただきたいと存じます。

 歴代陶芸家の中に日本芸術院会員は十一名(現存は四名)、重要無形文化財保持者は三十三名(現存は十二名、総合指定は含まず)文化勲章受章者は七名(現存は一名)文化功労者は十名(現存は二名)の方がいらっしゃいます。日本芸術院会員で文化勲章受賞者であられる青木龍山氏が、現代陶芸界において如何に重要な存在であるか、お解かりいただけることと存じます。